Diving tour in Sebu
                  ―晩夏の水人―(White Sands Beach Resort)    by:Ikko

 5. 2日目の朝  

8月30日 2日目

 この日の起床は6:00。
初日の朝は、いつも早起きしてしまうボクにとっては、ちょっと遅いくらいか。
いつも相手を起こさないように、朝の散歩と決め込むのだけど、ちょっとガサゴソして、渡辺を起こしてしまった。
ボクも寝起きがいい方だと思うのだけど、彼女もメチャクチャ寝起きがいい。
どうやら今回は、朝の1人散歩はできないかも(笑)。

さて、早めの朝食に向かう途中、二人はカメラを片手に浜辺へやって来た。
ふと、日本語の声が聞こえ、その方向を見ると、そこには手招きをする、フィリピン人のお兄さんが…。
いつものボクなら、そんなのは根本的に無視するのだが、なぜかこの日は変だった。
フラフラと引き寄せられるように、近づいて行ってしまう。
今回は何かと考えが甘い。
とにかく、これがちょっと失敗。

その後30分程、小さなバンカーボートに乗せられ、浅い海を散歩することとなる。
それにしても、一番初めのセブ旅行の時、インターネットで勉強した『ウニ食うか』のセリフをここで聞くことになるとは…。
その場で潜って採ったウニを割って食べさせてくれて、高額を請求されるという…噂には聞いていたが、まさか実際に体験するとは夢にも思わなかった。
もちろんウニに関しては、丁重に(笑)お断りした。
ところで、初めはボクらのボートが1艘。
しかし、ちょっとした小島を一周する間に、どこからともなく、同じような船が現れ、ゾロゾロと二人のボートの後をついてくる。
そして5〜7艘に膨れあがったその様は何とも異様、この後どうなるのだろうかと心臓がドキドキ。
途中で、「私これが仕事」と言い出した彼ら。
お金を請求されることは分かっていたが、どのくらい払えばいいのか、全く見当もつかない。
そこでボクは今、お金を持っていないと言い張り、一度ホテルに戻ることにした。
またここで会おうと約束して、その場を離れる。

朝食中もなぜかドキドキ感が治まらず、ウェイターが2人の写真を撮ってくれるが、顔の引きつったままのボク。
どこで覚えたのだろう、ホテルのウェイターたちは、浜辺の彼らのことを「ドロボー」と呼んでいた(笑)。
そして、支払いは、ボクと渡辺の二人分で100ペソで充分だそう。
角さんにも確認して、100ペソづつ払うことにした。
しかし、相手はこんなにたくさんの人を動員したのに、これだけじゃ…という身振り。
勝手にゾロゾロと集まったんだろうに…と言いたかったが、そこでダイビングに出掛ける途中ということもあって、角さんの登場。
相手は嫌々ながらも納得してくれた。
ふうーこれで気分もスッキリ。
でも今思えば、いい経験をしたかなと思う。
あの景色はあーでもしないと見ることができない訳だし…。


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