アジア一人旅 Part2 レポート {by:Kato}
6日目 バンブー・ラフティング&エレファント・ライド

この日の朝、僕は5時に起床。毎日、毎日ジジイのように早起きだな。
まあ、いいや。僕は僕さ…。ちょっと、開きなおった。
朝一番に洗濯。Tシャツを川でゴシゴシして、でっかい石に貼り付ける。
昨日、Tシャツの汗臭さが、ちょっと気になったためである。
ガイドが起きてきたのは、7時頃。
「グッドモーニング」の後、まず聞いたのは、「今日はどれだけ歩くのか?」であった。
オンリー1時間半と言われたときは、「また、またぁー」と疑ってかかったものだ。
しかし、どうやら本当らしい。

今日は日帰りのトレッキングツアーでよくある、竹(バンブー)のいかだでラフティン グ、象に乗って山を越えて移動という、いかにも観光地っぽいのがメインであった。
どんなに僕がホッとしたか、分かって頂けるだろうか。
出発後、2時間ほどのトレッキング、そして、見覚えのある車の置いてある農家にたどり着く。
この瞬間の嬉しかったこと…。
歩きが終わった嬉しさもあるかも知れないが、やはり何とか乗り切れたという、充実感が沸いてきた。
さて、トラックの荷台に乗り込むと、運転席から道の先が見えなくなるほどの坂道をガンガンに走り出す。
「おいおい、大丈夫なんだろうな、事故るなよぉー」つい、日本語で叫んだ。
誰も僕の会話など気にせず、つかまっているのに精一杯。
別な意味こっちの方が疲れるかも。

ランチを食べる所で、ガイドが変なことを言い出した。
「あなた、帰りの飛行機乗れない。」
何を言っているんだ?これを見ろよとAIのチケットを予約した控えを見せると今度は帰りのバスが乗れないと言い出した。
帰りのバスチケットもあるぞと見せる。
どうやら、トレッキング中にK&Jから僕宛に連絡が来たようだ。
ちょっと待ってくれとナンチャンがTELでオフィスに連絡を入れた。
どうか間違いであってくれと祈る。
内容は…どうやら、またまたオーバーブッキングで便に乗れなくなったらしい。
それで、K&Jがいろいろと探してくれているようだ。
最後に来て、またこんなことがあるなんて…
だから、本当に大丈夫なんだねと念を押したじゃないか、もう…。
バスも満席らしいが、僕がすでに引換券でなくチケットを確保していたのでOKらしい。
帰りのことは不安だが、今あせってもしかたがない。
取りあえず、バンコクに戻ってからだ…、今は楽しもう。

気を取り直して食事。
その場から10分程で川に到着。
ほとんどの荷物をトラックに残し、竹のいかだに2人と3人に別れて乗り込んだ。
ラフティング…これがなかなかどうして、日本の単なる観光とは訳が違う。
1.5時間程のラフティグはかなり本格的なものだった。
ちょっとした滝もあったし、十分満喫できた。
陽気なイギリス人2人が、ケンカをするような取っ組み合いになって、じゃれ合っていた。
予想通り、2人とも飛び込むように川に落ちる。
でも、赤土のせいもあるのだろうが、川は濁っていて底が見えない…ちょっと怖い感がある。
ヒルとかいないのかな、こんなジャングルだし…。
そのうち、一緒に乗っていたポールが「アメーシング」を連発。
指さす所をみれば、なんと象が10頭ほど、水際で遊んでいる。
動物園では何度も見たことがあるし、どういう生き物かも知っているつもりだけど、改めて見ると本当に奇妙な動物。
それに実際、何でもない普通の風景の中に象がいるだけで、もうどこか不思議。
それにしても、象の爪ってどうなっているか知ってますか?針金のような太い毛が生えているのを知っ てますか?もし、自分が象だったら、どうやって鼻をあんなふうに動かすんだろう? とか、思いませんか?いるだけでいろいろと考えさせられる、そんな象に乗ること1時間、ゆっくりと山を越えた。
このドライブ、実に不思議な体験だった。
僕が乗ったのは雄らしい。もう1頭は雌。
前を行く、雌の方が川を横断中、ジョジョジョーとバ ケツをあけたような音のおしっこをした。その豪快なことといったら…。
ポールはそれを見て、「クール」と言って笑っていた。

B.M.P.のオフィスに到着したのは17:00、僕は19:30のバスでバンコクに戻らなくてはならないので、結構忙しい。
ビデオカメラがバッテリー不足で、動かなくなって丸2日、さっそくコンセントを借りて充電。
お金の両替とバスの持ち込み用の弁当(マックのハンバーガー)の買い出し。
ちょっと薄暗くなってきた頃、お世話になったB.M.P.の人たちとお別れ。
ナンチャンにバイクの後ろに乗せてもらい、バス乗り場に向かう。
ナンチャンともここでサヨナラ。

バスに乗り込むと、僕の席は2階建のバスの一番前の席、大きなガラス、いい眺めだ。
隣の席はなんとお坊さん。
黄色い袈裟を見にまとった姿が、目を引く。
そしたら、いきなり声を掛けてきた。
このマンガ本をあげるよと言っているらしい。
ど、どうもありがとう、しかし、なぜ?それにしても、お坊さんってマンガ読むのかぁ?なんか不 思議な感じ。
マンガを見ると、タイ語が解らないまでも、マンガであるが故に何となく分かる。
英語があまり通じないようだが、お礼を言ってから、いろいろ聞くとMochitさん、18歳だそうだ。
お酒も飲めず、1日1食。
しかも、3ヶ月の修行だけというわけでなく、一生そんな生活だという。
なんてかわいそうな人生。
なぜか、すごく人が良さそうな人だった。これも修行の成果なのかも。
今度、タイに来た時にまた、会えるだろうか…。
彼はWat Phasukにいる。


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