アジア一人旅 レポート {by:Kato}
8.8日目 ピピ島へ

 朝からトラブルは起きた。
チェックアウトをして海に出たが、船がない。
潮の干満の関係でまだ、動けないらしい。
しかし、僕の乗る予定の船はもう2時間後に迫っていた。
午前1本、午後1本しかないピピまでの船。
乗れなければ結局、到着が夕方、これには困った。
荷物の積み下ろしをしているどう見ても人を乗せる用ではない船がたどり着いた。
あの船が移動できるのにどうして、ホテルは船を出してくれないんだろう。
しょうがない、何事も勉強、とその船の主に一緒に向こう岸まで連れていってくれるように頼みこんだ。
ちょっと嫌そうだったが、何とか乗せてもらい、対岸にたどり着く。

そういえば、通り道が昨日より長かったような…。
やっぱり干満のせいだろうか。
さて、バス乗り場を探す僕に次のトラブル。
バス乗り場はあるもののあまり運行していない様子。
近くにいた人に聞くと、何時にくるかまったく分からないという。
ただでさえ、交通機関はのんき。
ローカルバスなら、こんなものか。
後、1時間半後に出航する船にどうしても乗りたい。
僕はなんと、道行く人に船着き場まで乗せて行ってくれと頼み込んだ。
その人は車を持っている訳でも何でもない。
バイクの後ろに乗せてもらうことになった。交渉して60B払った。
往復2時間半、ちょっと可哀想だったろうか。
移動は迫力があって、なかなかよかった。
途中、僕はあることに気が付いた。
僕はバイクの後ろでその人にしがみつくことにちょっとためらいがあったので、左手を相手の肩をつかみ、右手をバイクの後ろグリップを握っていた。
だけど、よく考えたらバンコクでの左手は不浄の手、子供の頭を左手でなでたら泣き出したとかいう、旅行ガイドの文面が頭をよぎった。
途中で落ちそうになりながらも手を取りかえることができた。

とりあえずよかった、よかったと船着き場にたどり着くともう出航するところであった。
なんと、まだ30分前なのにである。
時間表はぜんぜん信用できないのがよく分かった。

なんとか船に乗り込み、灼熱の太陽の下、1時間半かかってピピに到着。12:00着。
ここもまたすばらしくバカンスしていた。
トップレスの外国人女性が目に痛いほど飛び込む。
さて、まずは、宿探し。
いろいろと宿をあたったが、物価が確かに高い。
2000Bくらいのホテルばっかり。
日本で考えれば、6000円のホテルなんて決して高くはないのだけれども、今までの感覚が身についてしまって、どうしても納得いかない。
初めのうちは、ぼられてるんだと思い、次から次へ聞いてまわった僕も、疲れ果てた。最後に行き着いたのはなんとテント。
ロングビーチに堂々と張ってあるテントを借りた。
まさか海外でテント生活をするとは夢にも思わなかったが、これもなかなかオツではないかと決定。400B。
シャワーとトイレは別にあったが、見るも無惨なトイレ。
ちょっと使いたくないような感があった。
更に、真夏の日差しで、昼間のテントはさすがに蒸し風呂状態。
まあ、昼間から寝る訳じゃないからと、海でバカンスに浸る。
観光するにも地図を手に入れなくてはならない。ちょっと面倒な作業だった。
強すぎる日差しで簡単に疲れはてた僕は、ビールを飲みに店に入る。
やっぱり暑い日のビールはうまい。
テントに戻るが、とてもいられない。
ビーチでとてつもなくスローな時間が過ぎる。
そして、ちょっと早い夕食にくりだす。
なぜなら電灯など明かりがまったくないのに気付いたからで、早めに食事をとっておこうということになった訳だ。
夜は、7時に眠りにつく。
なんて健康的な生活…。
波の音か初めのうちうるさすぎる程だったが、そのうちなれた。
(追記・どうして島の子供達は、すっかり薄暗くなってから海で水遊びにいそしむんだろう)


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