アジア一人旅 レポート {by:Kato}
10.10日目 スーラーターニーへ 

次の朝、バス乗り場の前のショップへ行くと、あなたの予約は聞いていない、と言われる。
そんなはずはない、と控えを見せるが、連絡をもらっていないと突っぱねられてしまった。
最後の最後で大きな落とし穴につかまった、と思ったが悩んでも仕方ない。
とにかく明日までにどんなことをしてもバンコクに戻らなければならない。
交渉するが、バスがいっぱいなものは仕方ない。
どうあがいてもバスはない。
お金も返す気はないらしい、私がもらった訳ではないみたいなことをいっている。
どうにか帰る方法はないのかと尋ねると、飛行機か鉄道しかないと言われた。
どこのショップでもバスはもう一杯だと…。
飛行機に乗るくらいなら、鉄道だと思い、スーラーターニー駅まで行きたいと言うと、そこまでならバスで送ると言われた。

駅に着いたはいいが、1等席、2等席など今更取れるはずがない。
3等の自由席(旅行ガイドにはそう書いてあった)なら立ってでも乗れる、僕はそう思い、3等席を購入した。147B。
出発は6:00。到着は明日の朝7:15。
13時間もの長旅になる覚悟をしなくちゃと、水食料を購入。
自由席ならどこに座ってもいいんだなと1時間も前から列車に乗り込んだ。
走り出した列車で一眠りしようと思ったとたん、軍服を着た若者にその席は私のだとチケットを見せられる。
そして、僕は3等でもちゃんと座る席が決まっていることを知る。
(そういう列車もあることを)発車してまもないうちに席を立つ羽目になった僕は、自分の席を探しに通路を移動するも、通路は地元タイの人たちが寝っころがったり、座り込んだり、とても通り抜けできない。
僕はしかたなく、通路の一角に陣取った。
途中、弁当やおみやげを売りに売り人が通路を通り抜けて行ったが、この中をなんて華麗に抜けて行くんだと本当に感心した。
初めのうちは立っていた僕も、2時間もすると足が痛くなってきた。
現地の人にまぎれて座り込む。
新聞紙を丸めて枕にしたり、体に巻き付けたりと、タイの人はたくましい。
僕はそれを見ながら、家で飼ってるハムスターを思い出した。
テッシュを1枚渡すとちぎって寝床を作るハムスターの姿と重ね合わせていた。
とにかく、時間が過ぎるのが遅い。
それは長い長い長い長い長い、鉄道の旅だった。


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