★使用しているダイビング器材及び撮影器材
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確か、1989年の冬も終ろうとしていた頃だと思うが、友人の篠崎と話をしていて、
”今年の夏は何かやろうよ!”と俺に話をもち出した。
何かやろうと言いつつ、実は彼の頭の中にはカヌーしかないと、すでに考えてあった。
彼は、これまでスノーボードで何度となく大転倒し(これでもインストラクターなんです)
その度に入退院を繰り返し膝はぼろぼろ...
普段の生活には余り支障はないが、膝を使うものは避けようと、
足を使わないカヌーを思いついたのである。
ちょうどその頃、
この私はTVでダイバーが潜っている水中の映像を見て、
俺もこんなきれいなところ潜ってみたいな!と思っていた。
ダイビングは水中だから膝に余り負担はかからないし、リハビリにもなるんじゃあない?!
そして、互いにカヌーだ!ダイビングだ!と言い合い、
この一言でダイビングに軍配は上がった。
”カヌーは最初は湖や川の流れのないところで練習するんだろうけれど、
少し上手くなって、川下りなんかする時はどーすんの?
2人して、車で上流まで行ってカヌーで下ってきたら、帰れないじゃん!
他に誰か誘ったって、結局1人は運転手(犠牲者)じゃん!! ”
この言葉にカヌーを諦めダイビングをやってみよう!と決まった。
決まったまでは良かったが、私達の住んでいる所は海のない栃木県、
まわりにダイビングやっている人なんか誰も知らなかったし、
どこに行けば潜れるのかも知らなかった。
早速本屋さんに行って、ダイビング関連の本を片っ端から立ち読みし、
ダイビング雑誌を買って帰った。
もう毎晩の様にその雑誌を、端から端まで穴の開くほど読んで見たところ
ダイビングにはCカードと呼ばれるライセンス(認定証)がないと潜れない!
じゃあCカードを取得するのにいくら位かかるのかというと、
その頃では、10万円前後したものでして(雑誌の表示価格)...
今日では1万円(雑誌の表示価格)なんてのもある...
いざダイビングショップに電話してみると、
その10万円は表向きの価格であって、申請料は含まれてないとか、
海洋講習の時の交通費、食費、宿泊費は含まれてないとか、
レンタル料は別だとか、3点セット(メガネ、シュノーケル、足ヒレ)位は買ってもらわないと、
なんて言われるのは生易しい方であって、
ウエットスーツに重器材(レギュレータ、オクトパス、ゲージ、BCD)まで
買わないと教えてもらえない!
と言うのがほとんどであった。
これらを買い揃えて講習費を含めると、
もう30〜40万円なんてのは当たり前のように電話の向こうでは口に出して言ってくる。
中には60万円位なんて簡単に言う店もあった。
とうてい働き始めて間も無い安月給の俺には無理だと思った。
”やはり金持ちの遊びなんだなぁ〜 貧乏人にはできないやぁ〜”と
なにせ私は1年ほど前に、20万円のカローラを2年ローンで買ったくらいでして..
TVで見て、きれいだな!潜ってみたいな!!と言う純粋な気持ちは、
その金額に半ば諦めを覚えさせた。
最大限思い切って、
もちろん現金はないからローンしてCカードを取得する事も考えたが、
潜ってみて”なんだぁ〜!こんなもんかぁ−”とか
”俺にはとても潜りなんて出来ない!”
などと思えた時には数10万円のローンだけが残るのは、
恐ろしいとも馬鹿らしいとも思えた。
(現在のように体験ダイビングと言うのがあれば、
いや当時もあったのかも知れないが私は知らなかった。)
決定的に諦めがついたのが、その年の初夏(6月頃だったかなぁ)である。
織田裕二、原田知代が主演の『彼女が水着にきがえたら』の上映が始まった。
当時の私は、自分で言うのも何だが、人一倍はずかしがりやで、
引込み思案、人前にでたり、目立つたりすることはとても出来ない性格でして...
”映画見てすぐその気になって..ミーハーだなぁ〜!”
そう思われる、そう言われるんじゃあないかと、自分で思うだけで恥ずかしく、
諦めがついたものでした。
それから半年位して、年も明けたある日、
デパートで旅行会社の前を通り過ぎようとした時、
青い海の写真とDIVINGの文字の書いてあるパンフレットが目に入り、
数ヶ月前の気持ちが蘇りそのパンフレットを貰って帰って来た。
パンフレットを見ると『神津島ライセンス取得ツアー』なる物があり金額は89,800円であった。
”おーっう!なかなか安いじゃん!!”と思いつつも、
すぐに頭の中では”どうせ表向きの価格だよ!” って浮かんだが、
潜りたさの余りだめもとで旅行会社に電話して聞いてみた。
そしたら、パンフレットを貰って来た地元旅行社では、ダイビングの事など何もわからず、
いちいち東京のディスクに電話して聞くありさま。
話にならず直に東京本社に電話すると、すべて含まれてます。と...
これなら良いでないかぁ−...
仮に潜れなくったって、潜ってつまらなくても、高い道具とローンが残る訳でもなく、
気持的には
”ちょっと高い旅行なのにつまらなかった”で終れる。
早速篠崎に連絡し、その事を言うと、
彼も同感し、数日後念願かなってツアーの申込をした。
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ツアーは4泊5日(船中1泊)で、現地は中3日である。
旅行社はツアー開始までに学科講習(ツアー費に含む)を受けて下さいとの事であり、
”会社帰りに2時間×5日間で終りますから...”なんて簡単に言ってくれる...
”おいおい、俺達は東京に住んでんじゃあねーんだょ..会社帰り東京に行けるかぁ−”
学科講習委託のショップに掛け合い、日曜日1日で10時間の講習をお願いした。
始発の電車に間に合うように起き、電車で2時間揺られ、その後10時間のお勉強、
そして帰りも2時間の道のりにさすがに疲れた。
ツアー当日、
電車で浅草まで行き、夕方着いた。
時間があったため竹芝まで水上バスを利用した。
船は隅田川をゆっくりと下り始め、
大きなビルの合間から真っ赤な夕日が見え隠れしてとても奇麗であった。
のんびりとそんな光景を見ていると、
そこだけ川の流れと同じ様に時間がゆっくりしている様に思われた。
船内に入ると、カップルが2組しか乗船してなくて、2組とも楽しそうにいちゃいちゃしている。
かなり悔しかった。
竹芝に着いた。
23:00発東海汽船『かめりあ丸』は定刻通り出港した。船内は空いていた。
夏場のこの船は、まるで難民船の如く、船室から人はあふれ、廊下、階段はおろか、
甲板まで足の踏み場も無い程人がびっしり乗船してるのに、オフシーズンのせいか、
2等客室のジュータンの上を確保できた。
さて、肝心のオープンウォータはと言うと、
もうかれこれ10年も前の事なので事細かに覚えてはいないが、
インストラクターの石田さんと生徒は私達2人だけで行われた。
ツアー前に学科講習は修了していた為にここでは、プール及び海洋実習のみである。
石田さんが先にデモンストレーションして、
その後に私達がやってみると言う一連の流れであるが、
私達はできが良かったのか?簡単に講習内容をクリアしてしまい、
その後の海中散歩(ファンダイブ)が主であったかの様でした。
石田さん曰く”君たちは簡単にスキルをこなしてくれて、面白くない!
教え甲斐がない!!”と笑って言ってたのが印象的である。
ただ1つだけミスもありました。
石田さんの浮上の合図で、浮上開始するのだが、
篠崎はOKの合図の後にBCに空気をぱんぱんに入れて
ロケット発射の如く水面に浮いていった。
水深も5m未満で何事もなかったから良かったが、
彼は講習中これを2度やりました。根本的にわかってなかったようです。
石田さんは講習が終ると温泉に連れてってくれたり、
最終日にはスナックにて自腹でおごってくれたりと..
大変お世話になりました。
もちろん帰りは港まで送ってくれ、船が出ても顔が見えなくなるまで手を振ってくれて...
なにかじーん!とくるものがありました。
制作中
旧バージョンを見てみる..(Ver.Kouichi Hasegawa)